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ホワイトスコーピオン ACEとNATSUの記録~泣き虫の決意

whitescorpionもう一つの物語

2023年12月3日、WHITE SCORPION 『眼差しSniper』リリース直前イベントの中で、司会の合田氏が、11人に対してこんな質問をした。

「一番涙もろいメンバーは、誰になるんですか?」

この時、池袋サンシャインシティ噴水広場前を埋め尽くしていた、古参ファンの多くは、メンバーから誰の名が出てくるか、大方の予想は付いていた。

オーディション中、この子が審査やインスタライブ配信で、涙する姿をさんざん見てきたからだ。

(エースの名が出てくるに決まっている)

もう一人の司会者、佐藤遥氏でさえ、おそらくそう思っていたに違いない。

ところが、案に相違して、メンバーの口から出たのは「ナツ」だった。

心なしかざわつき始める会場をよそに、相変わらず平然と「ナツです」と答えるWHITE SCORPIONのメンバーに対して、司会の二人も驚きを隠せず「意外ですね」を連呼した。

 

要するに、この会場にいる誰もが見誤っていたのである。

今、ここに立っているのは、すでにアイドルのエースであり、最終合格者としてお披露目されたあの時から、彼女は「泣き虫ピース」ではなくなっていたのだ。

とはいえ、オーディション中、あれほど泣いてばかりいたエースが、こんなにも強く変わることができたのには、理由がある。

それは、当初からエースに負けないくらい涙もろく、同じグループBに所属していたあるメンバーの、篤実な励ましの言葉が、いつもエースのそばにあったからに他ならない。

オーディション中、何度も挫折を味わいながらも、互いに励まし合って、ついに合格を勝ち取った二人の絆の物語は、意外と知られていない。

 

ホワイトスコーピオンACEとNATSUの記録~泣き虫の決意

サマーピース

IDOL3.0プロジェクトのデビュー候補生として、合宿審査に参加していたエース(当時ピース)とナツ(当時サマー)は、ともにグループBに所属するファイナリストだった。

二人は当時、コンビ名を「サマーピース(夏のかけら)」と名付け、自分達だけのポーズまで作っていたほど、仲が良かった。

合宿中は、主にナツはエースに歌を、エースはナツにダンスを教え、互いに足りないと感じる部分を補い合い、オーディションの合格とデビューを目指していた。

グループの合宿審査結果こそ第三位だったものの、ここで培われた絆と成長を実感しつつ、合宿を終えた二人の姿からは、まるで合格への希望と自信に満ち溢れているようだった。

しかし、合宿審査後に移行した、次のFinal Stage(ファイナルステージ)の個人審査において、二人は厳しい現実を突き付けられることとなる。

ホワイトナイトシステム

2023年8月26日に開催された「IDOL3.0 PROJECT Final Stage:1st 通過者発表イベント」で、エースとナツの二人は、トータル40名の合格者の中に入ることができなかった。

二人は、ホワイトナイトシステムというファン参加型の一般投票によって、復活合格を果たし、次のFinal Stage:2ndへ進んだのである。

NIDTポータル

この日を境に、とりわけエースは、インスタライブ配信などでも感極まって、涙を流してしまう場面が多くなっていった。

そして、その悲観的な気持ちにさらに拍車をかける出来事が起こってしまう。

二度目の挫折

二人は、Final Stage:1stで辛酸を嘗めて以来、歌とダンスの練習に費やす時間を大幅に増やし、2ndでは、これまで以上に必死の想いで挑んだ。

(ここでまた脱落するようなことになれば、自分を救ってくれた人たち、応援してくれている人たちに申し訳ない)

今度こそ、絶対に落ちるわけにはいかなかった。

 

だが、そんな切実な願いもむなしく、無情にも二人の名前は、今回も呼ばれることはなかった。

THE MOMENT OF BIRTH “PEACE”

全ての合格者の名が告げられた後も、エースは、自分が今、泣いていることさえ気が付いていないかのように、壇上から目を離すことができなかった。

自分に対する情けなさと、応援してくれる人に対する申し訳なさで、心が折れかけていたのである。

(私はアイドルに向いていないのかもしれない、もう、あきらめたほうがいいのかな…)

涙の封印

意気消沈したまま、やむなく椅子から立ち上がり、重い足取りで部屋を出ようと歩き始めたその時、不意に誰かが声をかけた。

「ピースちゃん、大丈夫?」

その声を聞いた瞬間、エースの目からは、再び堰を切ったように涙が溢れ出した。

THE MOMENT OF BIRTH “PEACE”

「私も頑張るから一緒に頑張ろう?」

 

声をかけたのは、エース同様、二度目の不通過を喫したナツだった。

ナツ自身、決して泣くことがない強い女の子というわけではない。

第一印象でクールそう、気が強そうなどと言われるが「イルカショーとか観てびえびえ泣いちゃうタイプ」だと述べているほど、本当は涙もろい。

実際、合宿審査中でも、なんども涙する場面があった。

だが、今はもうグループ単位の審査ではないのだ。

一緒になって泣いてしまえば、本当にエースはここで終わってしまうかもしれない。

THE MOMENT OF BIRTH “PEACE”

それを察したのか、個人審査が始まって以降、ナツはエースが落ち込んでいる時は、自分は決して泣かないよう努めた。

同じ境遇にいて、エースと同じくらい泣き虫のナツが、ずっと涙を見せずに頑張っている限り、きっとエースもあきらめることはないからだ。

 

そうして、二人は二度目のホワイトナイトシステムに挑み、上位二名しか通過できない狭き門を、そろって突破したのである。

2023年10月7日、渋谷ヒカリエホールAにて行われた最終合格者発表で、ナツは四番目、エースは八番目に名前を呼ばれ、晴れて最終合格を果たした。

「どんな結果であろうと、私は泣きません」と前日の配信では豪語していたナツも、さすがに、この時ばかりは涙がこぼれていた。

 

エースは最終合格が決まった後、次のように述べている。

このオーディションを受けたのは、強くなりたかったというのもあるんですけど、それはけっこう、このオーディション期間で叶ったかな、と思っているので…(中略)次は、強くなったので、勝負。闘っていきたいなと…

引用元:THE MOMENT OF BIRTH “PEACE”

 

これまで、幾度となく挫折を味わいながらも、最後まで諦めなかった二人が口にしたのは「強くなります」「闘っていきます」という力強い言葉。

それは、小さな「夏のかけら」に宿った大きな決意。

デビューしてからというもの、エースがファンの前で涙を流す姿を見たことがない。

 

あの日、池袋サンシャインシティ噴水広場前のイベントで、メンバーから「ナツが一番涙もろい」と指摘された。

ナツは「やめてくれぇ」と言わんばかりに頭を抱える。

そんなナツの様子を、どこか敬意のこもった優しい眼差しで、微笑んでいるエースが印象的だった。

 

 

 

いりうわ
いりうわ

ストーリーはオーディション期間前後で、関係者やご本人達から実際に配信などでお伺いした情報を基に作成しています。

 

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